インボイス制度で「死を考える」フリーランス続出!1万人調査で明らかになった地獄の現実【篁五郎】
「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が衝撃のアンケート結果を元に国に訴え!
■月収20万円なのに消費税8万5千円「払えるお金がない」

当日、会場には建交労軽貨物ユニオン・執行委員長である高橋英晴氏が登壇。Amazonやメルカリ、ZOZO、Yahooオークションといった大手ECサービスで取り扱う荷物を中心に運搬する、軽貨物宅配事業者の現状について訴えた。
「今のように軽貨物を配送する個人事業主が増えたのは、皆さんの生活習慣が変わったのと、企業や雇用主としても、社員を雇うよりも個人事業主と契約を結んだ方が合理的だからです。社員なら社会保険料の支払いもありますし、労基法を守らないとダメですけど、業務委託契約なら働かせ放題ですし、支払う経費も社員一人より安く済みます。つまり使い勝手がいい。
働く側も、自分の意思で自由に勤務ができる点や体力があれば稼ぎやすいというメリットがあるので業務委託で仕事をしています。しかしインボイス制度導入後は稼ぐのが難しくなりました。
軽貨物ドライバーの令和6年度の平均年間売り上げは469万円です。ここから経費を引くと所得は約半分の230万円くらいになります。月に約20万円程度です。価格転嫁できればいいのですが、交渉すれば『明日から来なくていい』とか『自分から辞めると言ったのだから違約金を払え』などの無茶苦茶なことを言われてしまいます。
今年はインボイスによって1年分の消費税を収めることになりましたが、皆さん『こんな金額払えない』と嘆いている事業者ばかりです。軽貨物ドライバーの平均納付額は8万5000円です。大したことないと思う方もいるでしょうけど、月20万円で生活している彼らから見れば大金です。払えるお金が残ってないんです。分割で払えないのか。払わずに対応するしかない。廃業まで考えると、驚きや悲鳴また諦めの声も聞かれました」
軽貨物ドライバーはガソリン代など、世界的な価格高騰の影響を思い切り受ける職業である。さらにガソリン税、石油石炭税、消費税など、二重にも三重にも税金をむしり取られる。これ以上納税額が増えるか、物価上昇したら廃業も視野に入れている事業者も多いようだ。
運送業界の人手不足はかねて叫ばれていたが、その危機的状況にインボイス制度が拍車をかけそうだ。
建築業界もインボイスによって一人親方が青息吐息だという。東京土建一般労働組合からは税額負担額の上昇による負担増に悩まされているという。
こうした現状を踏まえて、インボイス制度を考えるフリーランスの会は2割特例と8割控除の延長を請願を提出するに至った。このまま放置しておくと我々の生活にも影響を及ぼすかもしれない。